探偵に浮気調査を依頼して得られた報告書や写真、動画などは、後の離婚調停や裁判、慰謝料請求において非常に重要な役割を果たします。しかし、単に「証拠」があれば良いというわけではありません。法的に「有効な証拠」として認められるためには、いくつかの条件があります。
【法的に有効な不貞行為の証拠とは】
裁判所が「不貞行為」(配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと)と認めるためには、以下のような証拠が必要とされます。
肉体関係が推認できる状況証拠:
最も強力な証拠は、ラブホテルへの出入りを証明する写真や動画です。男女が二人でホテルに入り、一定時間滞在して出てくる様子が明確に撮影されている場合、肉体関係があったと強く推認されます。
不倫相手の自宅や、ホテル以外の場所(ウィークリーマンション、カラオケボックスなど)への出入りでも、滞在時間やその後の行動と合わせることで有効と見なされる場合があります。
探偵は、これらの状況を客観的に、かつ詳細に記録した報告書を作成します。
不貞行為を示す明確なメッセージや通話記録:
LINEやメール、SNSのやり取りで、肉体関係があったことを示す具体的な記述(「愛している」「一緒にいた夜のこと」など)や、デートの約束、性的な内容のやり取り、裸の画像などが含まれている場合も有効な証拠となり得ます。
ただし、単なる親密な会話だけでは不貞行為の証拠にはなりにくい場合があります。
肉体関係があったことを示す音声記録:
直接肉体関係について話している音声記録なども証拠となります。ただし、ICレコーダーなどによる録音は、録音方法や場所によっては、プライバシー侵害とみなされる可能性もあるため注意が必要です。
【探偵が収集した証拠の強み】
探偵が収集する証拠には、以下のような強みがあります。
- 客観性と網羅性: 探偵は感情に流されず、客観的な事実のみを収集・記録します。また、行動の全体像を捉え、時系列に沿った詳細な報告書を作成するため、裁判官が判断しやすい形となります。
- 合法性: 探偵業法に基づき、違法な手段を用いずに証拠を収集するため、証拠能力が否定されるリスクが低いです。
- 継続性: 一度だけでなく、複数回の不貞行為の証拠を継続的に収集することで、より強い証拠となります。
【証拠として認められない可能性のあるケース】
- 単なるデートや食事の記録: 肉体関係を伴わない単なる会食や買い物デートだけでは、不貞行為とは認められません。
- 感情的なやり取りのみ: 「好き」「会いたい」といった感情的なメッセージだけでは、不貞行為の証拠としては弱い場合があります。
- 違法な手段で収集された証拠: 無断の盗聴・盗撮、GPSの無断設置など、違法な手段で得られた証拠は、たとえ真実であっても、証拠能力が否定されたり、依頼者側が罰せられたりする可能性があります。
法的に有効な証拠を確実に手に入れるためには、知識と経験が豊富な探偵に依頼することが最も重要です。事前に無料相談で、どのような証拠が必要か、どのように調査を進めるかを確認し、納得した上で依頼するようにしましょう。