探偵と似たような名前の専門家として「行政書士」を耳にすることがあるかもしれません。どちらも法律に関わる専門家ですが、その役割は大きく異なります。探偵と行政書士、それぞれの専門分野を理解することで、あなたの悩み解決に必要なサポートが明確になります。
【探偵の役割】
探偵の主な役割は、**「事実を調査し、証拠を収集すること」**です。
専門分野:
浮気調査、人探し、素行調査、身元調査、盗聴器・盗撮器発見調査など、特定の事柄や人物の行動、背景などを秘密裏に調査します。
法的に有効な証拠(写真、動画、行動記録など)を集めることが得意です。
法律との関わり:
探偵業法に基づいて業務を行い、調査の過程で違法行為を行わないよう細心の注意を払います。
収集した証拠は、後の民事訴訟(慰謝料請求、離婚訴訟など)で弁護士が活用するための重要な資料となります。
【行政書士の役割】
行政書士の主な役割は、**「書類作成のプロ」**であり、国民と行政をつなぐ役割を担います。
専門分野:
官公庁(市役所、県庁、警察署など)に提出する許認可申請書類の作成(例:建設業許可、飲食店営業許可、ビザ申請など)。
権利義務に関する書類の作成(例:遺産分割協議書、公正証書作成支援、契約書、内容証明郵便など)。
事実証明に関する書類の作成(例:会計帳簿、議事録など)。
これらの書類作成に関する相談業務。
法律との関わり:
行政書士法に基づき、法律知識を活かして正確な書類を作成し、円滑な行政手続きをサポートします。
紛争の当事者として交渉したり、裁判所での代理人となることはできません。
【探偵と行政書士の連携は?】
直接的な連携は少ないですが、間接的に協力する場面はあります。
不倫のケース:
探偵が浮気の証拠を収集します。
その証拠を基に、慰謝料請求の内容証明郵便を行政書士が作成することは可能ですが、相手方との「交渉」や「法廷での争い」が発生する場合は、行政書士は対応できません。その場合は、弁護士の専門分野となります。
【あなたの悩みに応じた選択】
- 「事実を知りたい」「証拠が欲しい」 と考えているなら、探偵に相談すべきです。
- 「役所に提出する書類を作りたい」「契約書を公正に作成したい」 と考えているなら、行政書士に相談すべきです。
- 「慰謝料を請求したい」「離婚したい」「法的な交渉をしてほしい」 と考えているなら、弁護士に相談すべきです。
このように、探偵、行政書士、そして弁護士はそれぞれ異なる専門分野を持つ法律家です。ご自身の悩みに合わせて、適切な専門家を選ぶことが、問題解決への第一歩となります。