「探偵」と「興信所」、この二つの言葉はしばしば混同されがちですが、そのルーツと得意分野には違いがありました。かつて、興信所は企業の信用調査や個人の身元調査を主な業務とし、比較的公開された情報や聞き込みを主体としていました。その名の通り、「信」用を「興」す(高める・調べる)ことが目的だったのです。一方、探偵事務所は、浮気調査や人探しといった個人の行動調査に特化し、尾行や張り込みといった秘密裏の調査を得意としていました。「探る」「偵(うかが)う」という言葉が示すように、目に見えない真実を追求する役割を担っていました。
しかし、現代においては、この明確な区分はほとんどなくなり、多くの探偵事務所が興信所の業務も兼ね、またその逆も然りです。現在では、どちらの名称を名乗っていても、提供するサービス内容に大きな違いはありません。「探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)」により、公安委員会への届け出が義務付けられている点も共通しています。
では、あなたの抱える悩みを解決するために、どちらを選べば良いのでしょうか?重要なのは、名称ではなく、その業者がどんな調査を得意としているか、そしてどれだけ信頼できるかという点です。例えば、浮気調査を依頼したいのであれば、浮気調査の実績が豊富で、法的に有効な証拠収集に長けている業者を選ぶべきです。企業の信用調査であれば、その分野に精通した専門知識を持つ業者を選ぶ必要があります。
探偵や興信所に依頼を検討する際は、まずご自身の悩みがどのようなものなのかを明確にしましょう。次に、無料相談などを活用し、複数の業者に問い合わせてみることをお勧めします。その際、料金体系が明確か、調査方法や報告体制はどうか、担当者の対応は丁寧で信頼できるか、といった点をしっかり確認することが大切です。
探偵は、あなたの抱えるデリケートな問題を解決するための専門家です。適切な業者を選ぶことで、一人では解決できない悩みを乗り越え、次の一歩を踏み出すサポートを得られるでしょう。